2025/12/29
今回は1歳サラブレッド育成馬の臼歯を抜歯した症例を2つ紹介します。 1症例目は齲歯(いわゆる虫歯)によってもろくなった臼歯を抜歯した症例です。 皆さんは馬の虫歯についてどのようなイメージを持っていますか? ・草食動物だから虫歯にはならなそう ・リンゴや黒糖などの甘いものをあげたらなるのかな...

2025/11/26
リバプール大学のリハースト馬病院での研修が終了したあとは チェコ共和国で行われたVetPDの実習コースに参加してきました。 VetPDとは、獣医師向けの実践的な研修やハンズオンコースを世界各地で行っている国際的な教育プログラムです。...

2025/11/06
海外研修報告の続報です! 2025年10月21日から28日まで、リバプール大学のLeahurst Equine Hospitalの診療に参加してきました。 ここではSurgery Teamに所属し、その中でも主に跛行診断やその検査を担当しているDiagnostic Images And Lameness(通称DIAL)チームに付いて回っていました。 リバープル大学と聞くとLiverpoolにあるように思いますが、実際には...

学会 · 2025/10/24
2025年8月28-29日に帯広畜産大学で開催された北海道地区学会におきまして、 弊社から発表した2つの演題が地区学会長賞および獣医師会長賞を受賞致しました! ◎地区学会長賞 『EOTRH(Equine Odontoclastic Tooth Resorption and Hypercementosis)を発症し たポニーの1症例』  ○敷地光盛1) 住友 藍1) 田原和貴1) 關 奏絵2) 岡本 実3)  1)エルムホースクリニック...

2025/10/23
Trident Equine Dentistry Schoolに参加してきました。 これはイギリスのレットフォードにて、2025年10月11日から19日までの9日間にわたり行われました。 Equine Dental Technician(EDT)という馬の歯を削る職人の養成を目的にしているコースです。 一般の人でも参加可能です。ただ、イギリスでは馬を飼うことは珍しくないため、...

北海道地区学会で受賞いたしました!
学会 · 2023/10/17
2023年8月31日、9月1日に酪農学園大学で開催された北海道地区学会におきまして、弊社 敷地光盛獣医師が発表した演題、  『サラブレッド1歳馬における歯科調査』 が北海道地区学会賞を受賞いたしました。ご協力いただきました関係各位に深謝申し上げます。 これを励みに当クリニックでは、一層日々の診療と学術活動に邁進してまいります!...

診療所竣工しました!
2022/04/09
2022年2月に診療所が竣工しました!

症例 · 2022/03/25
下顎の臼歯を抜歯する機会がありましたので報告します。 症例はこのブログにも登場したことのあるポニー君です。 前回はEOTRHという切歯の疾患でしたが、今回は臼歯に異常が見つかりました。 定期的な歯科メンテナンス時に、306と406に痛みがあることで判明しました。 特に306は指で動くほど緩くなっていました。...

皮下気腫について
2021/12/07
今回は馬の皮下気腫についての話です。 皮膚の下に空気が溜まる状態のことを皮下気腫(SUBCUTANEOUS EMPHYSEMA)といいます。 空気を含んだ皮膚を触ると、プチプチと小さな気泡が潰れるような触り心地がするのが特徴です。 ひどく皮下気腫を起こした馬はブクブク太ったように見えます。...

サルコイドについて
2021/11/17
サルコイドは馬の皮膚腫瘍で最も多く見られるものであり(35~90%)、2%の馬が罹患していると言われている。牡馬/牝馬、毛色は発症に影響せず、騙馬でリスクが高い。当歳馬では少ないが、7歳以下で多く70%以上が4歳以下であるとの記載がある。また、クォーターホース、アラブ、アパルーサ種に好発し、スタンダードブレッドではリスクは下がる。サラブレッドにおける発生率は報告によりまちまちであるが、罹患すると腫瘍が発達しやすいとされる。どの部位にも発症するが、顔、四肢、体部下部が多いとされ、以前に外傷があった部位に出来やすいとも言われる。 診断はバイオプシー後の、病理組織検査、PCR検査により行われる。PCR検査では、サルコイドの73~100%で検出される牛パピローマウイルス(BPV)を検知する。タイプが6種類あるBPVのうち、type1とtype2がサルコイドに関与している。感染牛からハエが媒介して馬にBPVを感染させることが報告されているが、腫瘍に導かれる機序は正確にはわかっていない。 サルコイドは他臓器への転移が少ないことや自然消滅するものもあることから経過観察を促す向きもあるが、周囲への浸潤や組織破壊などを考慮すると早期の介入が必要なことも多い。治療法にgold standardはなく、外科的摘出、凍結療法、放射線療法、局所抗ウイルス療法、電気化学療法、免疫調節療法、自家ワクチン療法などが実施される。治療の選択は、部位、サイズ、浸潤強度、病変の数、治療経過、経験や技術、所有する機材や施設等をもとに判断する。 ここでは免疫に関わる治療法を取り上げる。免疫調節療法では、免疫反応を誘引する目的でBCGワクチンを2~3週毎に2~9回腫瘍内に注入する。複数回投与でアナフィラキシーショックの可能性がある為、注意を要する。眼周辺で特に効果的で、四肢や体部、再発部での効果は限定的であり、成功率は報告により59~100%とされている。自家ワクチン療法では、凍結した自己のサルコイドを5mm角にして頸部皮下へ埋め込む。Benjaminらはこの方法で15頭中12頭で腫瘍が完全に消失した(90~120日)とし、Rothackerらは12/16で腫瘍の数が減少、15/16でサイズが小さくなり、8/11で他の治療なしで完全に消滅したと報告している。いずれも詳細な機序は解明されていないが、効果があることはいくつもの論文で報告されている。 サルコイドは再発率が高い(摘出後半年の再発率50~72%)ことが知られている。1cm以上のマージンを取った注意深い摘出で再発率は18%まで低下するが、眼周囲の症例では82%が再発するとも言われている為、注意深い経過観察が重要である。 参考: ・Equine Dermatology 2nd Edition ・Equine Internal Medicine ・Current Therapy in Equine Medicine 7 ・外科的切除と凍結した組織片移植により治療した馬サルコイドの1症例(樋口ら2016) ・How to treat equine sarcoids by autologous implantation (Benjamin 2008 AAEP) ・Autologous vaccination for the treatment of equine sarcoids:18 cases (2009-2014) (Rothacker 2015) 報告者:敷地光盛

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